2008年2月21日木曜日

金券 ショップ

裏と表 (幻冬舎文庫)

本書は、金券ショップ「ラッキー」の立ち上げに始まり、その店主の下に流れ込んだ人とカネの流れが、いつしか濁流となり巨悪に通じていく様子が描かれた作品です。前半は金券ショップを舞台に繰り広げられる様々な取引のカラクリが紹介され、また、店主とアルバイトスタッフによる店の切り盛りや交流の様子が描かれます。盗品や怪しげな人物も出入りしますが、概ね平和です。この辺りは勉強となり、また読んでいて楽しくもあります。中盤から、現実離れした感もある陰謀や、紋切り型の豊満な美女もクローズアップされ、物語は一気にスケールアップし疾走していきます。もっとも終盤に至り、ややまとまりを欠き、豊満な美女貴子の心の闇に多くを託してしまっている感はありますが…。ともあれ、地下経済への興味をかきたてる秀逸な娯楽作品だと思います。

金券ショップのオーナー樋口。親友の高瀬に頼まれ、マネーロンダリングの手伝いをする。金に取り付かれた大企業の幹部、それに巻き込まれた複数の人物。話が進むにつれて、金の単位がどんどん大きくなる。 この筆者の話は、いつもダーク。そして展開がスピーディ。金に取り付かれると、大事なものを失う様子が見事描かれている。 でもこの話の最後は「愛」が残ったりして、少し救われる。

表のチケット屋を営む主人公、商品は裏の道から入ってくる、その裏の複雑なことは裏を知ってしまうことに喜びを感じてしまうほど。さらに深い裏(闇)は主人公の友人が関与し、それはあまりにも怖い世界がひろがっていく。以前チケットショップを利用したことがあるがこんな裏があるなんて!。作者にして登場人物が日本人であることに注目、ただ、情欲の深さは「睡魔」や「Z」、大作「血と骨」にも通じるがどうもこの作品ではこれまでに比べるとどろどろさがまだ足りない気がするのはわがままな発言か。最後の2ページ、女の業の深さを思い知ることになる、それは読まなきゃわからない。タイトルはあくまでもメインが「裏」であることを楽しみたい。

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